水曜22時~ドラマ『ちやはふる―めぐり―』の和歌
7月9日からドラマ『ちはやふるーめぐりー』が始まりました!
第一話、良かったです!
ネタバレになるといけないので詳しくは言いませんが、泣いちゃいました💦
これまで(主に映画)『ちはやふる』のなかで特にキーとなった和歌は
以下のページでご紹介しまています。
ここでは、ドラマ『ちはやふるーめぐりー』に出てきた歌をご紹介します!
特に「訳うた(オリジナルの57577での訳)」を楽しんでいただければ幸いです。
目次
第一話
めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲隠れにし夜半の月かな 紫式部
見しやそれとも
分かぬ間に
雲隠れにし
夜半の月かな
すぐに帰った
友人は
雲に隠れた
月みたいだな
意訳:めぐりめぐって再会して、(ゆっくり話したかったのに)確かにその幼馴染だなと実感もしないうちに、雲に隠れてしまった夜中の月(のような彼女)だな。
☆百人一首57番歌。
☆紫式部が父の赴任についていった越前にて、幼馴染の女の子と再会したのにすぐにその子が帰ってしまったことを惜しんで詠んだ歌です。
みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐり逢ひける縁は深しな 光源氏
恋ふるしるしに
ここまでも
めぐり逢ひける
縁は深しな
光源氏
恋の証に
またここで
逢えた君とは
運命なんだ
意訳:身を尽くして(あなたを)恋する証拠に、(水路の目印である)澪標があるここでも、(あなたと)めぐり会えた縁は深いのだなあ。
☆「澪標」は川や海で水路の目印として立ててある杭。
多くの和歌で「身を尽くし」との掛詞になっています。
☆「縁」は仏教の思想から「前世からの因縁、宿縁」を意味します。
平安時代、男女の縁は前世に原因があると考えられていました。
☆『源氏物語』で光源氏が明石の君に贈った歌。
光源氏が都に戻ったあと、源氏と明石の君はたまたま、同タイミングに住吉に参詣しました。
明石の君は光源氏の盛大な行列に気後れし、自分の身分の低さを引け目に感じ、声もかけずにいました。
そのこと知った源氏が贈った歌となります。
(参考)百人一首にある「みをつくし」の歌
わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ(元良親王)
今はたおなじ
難波なる
みをつくしても
逢はむとぞ思ふ
どうしようもない。
もうままよ!
身が滅ぼうと
あなたに逢おう。
意訳:(あなたとの恋が露見し、逢えなくなって)つらい状況になってしまったので、今はもう(どうなっても)同じことです。大阪にある澪標ではないが、身を尽くして(命が尽きてでも、あなたに)逢いたいと思います。
☆百人一首20番歌です。
☆恋の露見とは、女御(天皇の妻)との不倫の発覚です。
難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき(皇嘉門院別当)
蘆のかりねの
ひとよゆゑ
身を尽くしてや
恋ひわたるべき
出会った彼と
ワンナイト。
一心不乱な
恋が続くの?
意訳:大阪湾にある葦の刈り根の一節のような旅先での一夜の共寝のために、澪標ではないが身を尽くして恋い続けなければならないのでしょうか。
☆百人一首88番歌です。