『親子で読もう!心にしみる万葉集』

『万葉集』に興味がある方、特にお子さんと一緒に短歌を学んでみたい方に、オススメの本です。

学校の先生たちと、まほろば教育事業団の講師の方々が60首をセレクトし、紹介しています。
約4500首から、子どもの心の成長を願って厳選された、心にしみる歌ばかりです。
60ページ超のブックレットなので読みやすいですよ。

歌にはすべて振り仮名があって、わかりやすい現代語訳や背景の説明もあるので、とっても親切です。
個人的に特にいいなと思ったのは、「万葉人からのメッセージ」という一言♪

気になる方はまほろば教育事業団のサイトからどうぞ。

「家族の絆」4首

「友情」「発見」「大自然」など、いろんなテーマでのグループ分けもされています♪
そのうち、「家族の絆」の歌として紹介されている歌について、31音口語訳を作ってご紹介します。

銀も金も玉もなにせむに 勝れる宝子に及かめやも  山上憶良

しろかね
くがねたま
なにせ
まされるたから
かめやも
  山上憶良やまのうえのおくら

訳:金銀きんぎん
  どんなたから
  どもという
  たからにまさる
  ものなんて

(意味)金も銀も財宝も何だって、子どもよりも素晴らしい宝があるだろうか。無いよ。

★私も親バカなので心から共感しています♡

父母が頭掻き撫で幸くあれて 言ひし言葉ぜ忘れかねつる 丈部稲麿

父母ちちはは
かしら
くあれて
言ひいい言葉けとば
わすれかねつる
  丈部稲麿はせつかべのいなまろ

訳:父母ちちはは
  あたまをなでて
  「無事ぶじでね」と
  いのったあい
  こころささ

(意味)父母が(私の)頭をなでて「無事でいてね。」と言った(別れの)言葉が忘れられなかった。

防人さきもりの歌です。「けとばぜ」は「ことばぞ」の東国方言。旅立ちの際に頭を撫でるのは、無事を祈る呪術的な行為であるとともに、愛情の表現でもあります。

旅人の宿りせむ野に霜降らば わが子羽ぐくめ天の鶴群 遣唐使の母

旅人たびびと
宿やどりせむ
しもらば
わが子羽こはぐくめ
あめ鶴群たづむら
  遣唐使けんとうしはは

訳:野宿のじゅくする
  息子むすこまもって!
  つるたちよ。
  はねでくるんで
  あたためてくれ。

(意味)旅人(となった遣唐使の息子)が野宿するような場所に(冷たい)霜が降ったら、我が子を羽で(暖かく)包んでおくれ。天上の世界から来る鶴の群れたち。

★上記『親子で読もう!心にしみる万葉集』の解説に”「はぐくむ」という語源は、羽でつつみ養育するという意からきています。まさに、子を守り育む母の愛情があふれた歌です。”と書いてありました。
「はぐくむ」という語に触れたら思い出したい歌だなと思いました。
★鶴が天上の世界から飛んでくると信じられていたことについて興味を持って調べましたところ、淡路島にある論鶴羽ゆづるは神社のHPにこんなことが書かれてありました。
「ご由緒」のページのリンクはこちら。

社伝によると、およそ2150年の昔第九代開化天皇の御代に伊弉諾、伊弉冊の二柱の神様が鶴の羽に乗り給い、高天原に遊びたもうた。

父母も花にもがもや草枕 旅は行くとも捧ごてゆかむ 丈部黒當

父母ちちはは
はなにもがもや
草枕くさまくら
たびくとも
ささごてゆか
  丈部黒當はせつかべのくろまさ

訳:父母ちちはは
  はな変身へんしん
  させれたら、
  たびにも大事だいじ
  ってくのに。

(意味)父も母も花だったらいいのになあ。(もしそうだったら)旅に出かけても、手に捧げ持っていこう(と思うのにな)。

★『古事記』ではスサノオノミコトがクシナダヒメを守るために、彼女を櫛に変えて自分の髪にさすという場面があります。父母を花にというのも、そんなイメージだったのでしょうか?!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です