『鬼滅の刃』推しに関する和歌 竈門炭治郎・我妻 善逸・嘴平 伊之助・煉獄杏寿郎・胡蝶しのぶなど
我が家は家族みんなで『鬼滅の刃』が大好きです。
子どもたち(当時3歳と5歳)にマンガを全巻、読み聞かせしました☆彡
2025年7月18日(金)公開の劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章が楽しみです♪
皆さんの推しはどなたですか?私は伊之助です💕
このページでは、各キャラに関する和歌をご紹介していきます。
順々に増やしますね。
目次
竈門炭治郎を推している人に贈りたい歌
高き屋にのぼりて見れば煙立つ民のかまどはにぎはひにけり
のぼりて見れば
煙立つ
民のかまどは
にぎはひにけり
登って見ると
炊飯の
煙が見える
民は豊かだ
意訳:高台に登って眺望すると、(以前はなかったが、今は民家から炊飯の)煙が立ちのぼっている。民の生活は豊かになったなあ。
★『新古今和歌集』巻七(賀)の冒頭に仁徳天皇の御歌として掲載されています。
『古事記』『日本書紀』に載っている仁徳天皇の「民の竈」という話をもとに後世の方が詠んだ歌だと思われます。
★『古事記』から「民の竈」の話を少し引用します。
『新潮日本古典集成 古事記』
天皇、高き山に登りて、四方の国を見て詔らししく、
「国中に烟発たず。国みな貧窮し。かれ、今より三年に至るまでに、ことごと人民の課役を除せ」
訳:天皇は、高い山に登って、東西南北の地域を眺望して仰ることには、
「どこの地域でも(民の炊飯の)煙が立っていない。国中の皆が貧しく困窮している。だから、今から三年間、全ての国民の税を免除せいよ」
★「全国民の税を3年間も免除」ってすごいことですよね。(皇居が壊れても修理できず、雨漏りしていました💦)
ちなみに『古事記』だと3年間。『日本書紀』ではさらに3年の6年間も免除しています。
★天皇が高い所に登って国土を望み見ることを「国見」といい、豊穣を祈る儀礼でもありました。
【竈門 炭治郎】自分の身を犠牲にしてでも人々を護ろうとするところが共通していますね💕
柱稽古編では自分が作った焼きおにぎりを仲間に振舞ってくれていました。
みんなが美味しくご飯を食べられることを喜んでいるのも共通しています💕
我妻善逸を推している人に贈りたい歌
わが妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えてよに忘られず 若倭部身麻呂
いたく恋ひらし
飲む水に
影さへ見えて
よに忘られず
若倭部身麻呂
俺を愛しく
思ってる
だから水にも
妻の面影
意訳:(故郷に残してきた)私の妻は(私のことを)非常に恋しいらしい。(私が)飲む水妻の面影まで(映って)見えて、ひと時も忘れられない。
★『万葉集』に載っている防人の歌です。「恋ひらし」「かご」は、それぞれ「恋ふらし」「かげ」の東国方言。作者は、遠江(静岡県)あたりの人です。
★「面影があらわれるのは、相手が自分を恋しく思っているからだ」という俗信がありました。
びっくりですよね!作者本人の方が、相手のことを恋しく思っていそうですよね!
【我妻 善逸】女の子がちょっと優しくしてくれただけで、自分と結婚してくれると思いこんじゃう善逸。
この和歌の迷信は、現代人の感覚だと善逸のように思い込みが激しいなと感じるので、選んじゃいましたw
嘴平伊之助を推している人に贈りたい歌
手をおひて谷間にくるふいかり猪の牙のひゞきにちるもみぢかな 落合直文
谷間にくるふ
いかり猪の
牙のひゞきに
ちるもみぢかな
落合直文
谷間で狂う
イノシシの
牙で揺らされ
散る紅葉だな
意訳:怪我をして谷間で暴れ狂っている猪の、牙を剥いた騒ぎ散る紅葉だなあ。
★落合直文は明治時代に活躍した歌人・国文学者です。
3句目の「猪」にはルビがないので確かではないのですが、「しし」か「い」と読むと思われます。
★負傷した猪の狂乱ぶりと、散りゆく紅葉の儚さの対比が鮮烈な印象を与える歌ですね。
【嘴平 伊之助】猪突猛進な伊之助♪
怪我しても構わず暴れ狂ったように戦う姿が大好きです。
藤の家のおばあちゃんとの交流でほわほわしていたのが本当に可愛らしいです💕
冨岡義勇を推している人に贈りたい歌
かくありて許さるべきや密林のかなたに消えし戦友をおもへば 本間雅晴中将
許さるべきや
密林の
かなたに消えし
戦友をおもへば
本間雅晴中将
許されるのか
密林の
向こうに消えた
戦友を思うと
意訳:このように生き延びて許されるのだろうか。いや、(自分で自分を)許しがたい。密林の向こうに消えていった戦友、(高砂義勇隊の戦没者たちのこと)を思うと。
★高砂義勇軍は大東亜戦争(太平洋戦争)で台湾原住民により編成された日本軍の部隊です。非常に勇敢でした。
★私は台湾にある高砂義勇隊慰霊碑に訪れ、追悼したことがあります。
台湾に行かれる機会がある方は、ぜひ高砂義勇隊に興味を持っていただけると嬉しいです。
【冨岡 義勇】柱合会議で明かされた手紙から、義勇さんの義侠心に心打たれました。まさに、「義勇」という名の方だなと。
この歌では「戦友」=高砂義勇隊なのですが、義勇さんの心の叫びのようにも思えます。
錆兎の死を引きずって、「俺は水柱じゃない」と言っていた義勇さんと重なります。。。
★義勇さんと言えば、水の呼吸 拾壱ノ型「凪」。
「凪」とゆかりのある和歌「天地の神にぞいのる朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」の記事もよろしければご覧ください。
胡蝶しのぶを推している人に贈りたい歌
紫と黄いろと白と土橋を小蝶ならびてわたりこしかな 与謝野晶子
黄いろと白と
土橋を
小蝶ならびて
わたりこしかな
与謝野晶子
黄色と白の
蝶たちが
並んで橋を
渡っていった
意訳:紫と、黄色と、白と(色とりどりで)土橋(の上を)小さな蝶々が並んで土橋を渡っていったことだなあ。
★土橋は木で作り、表面に土をおおいかけた橋です。土でできた橋ではないですよ(土田と崩れそうですねw)
★「胡蝶」は「蝶」の別名で、「小蝶」は「小さな蝶」です。
【胡蝶しのぶ】この歌の三匹の蝶が、「胡蝶カナエ、胡蝶しのぶ、栗花落カナヲ」の三姉妹のように思えて、選びました。
カナヲちゃんが妹になったのも橋の上でしたね~。
余談ですが、我が家にはしのぶちゃんの剣(おもちゃ)があります♪
ボタンを押すと、「もしも~し。大丈夫ですか?」などの名言がしのぶちゃんの声で聞こえます💕
私のお気に入りは「しょうがないしょうがない」です。あの時の伊之助、可愛かった💕
煉獄杏寿郎を推している人に贈りたい歌
我が胸の燃ゆる思ひに比ぶれば 煙は薄し桜島山 平野国臣
燃ゆる思ひに
比ぶれば
煙は薄し
桜島山
平野国臣
燃える炎と
比べると
桜島でさえ
煙は薄い
意訳:私の胸の燃えている想いの火と比べたら、(雄大な活火山である)桜島山の煙も薄く感じる。
★幕末志士の歌です。
★桜島は雄大です。自分の想いの熱さを喩えるにあたって、自分が知る限り一番熱いものを取り上げたのでしょうね。
【煉獄杏寿郎】熱く燃えている人と言えば、煉獄さんですね!
我が家でのエピソードを1つご紹介します。
無限列車編に夢中になってから1年以上経ったある日のこと。
娘がトイレに貼っている「故事ことわざ日めくりカレンダー」にある「花は桜木、人は武士」の意味を尋ねてきました。
「小学1年にはまだ難しいだろうな~」と思いつつ、こんなふうに説明しました。
「桜も武士も、散り際が美しくて立派だという意味だよ。武士は死ぬときに『まだ死にたくない』とか言わず、『後は頼んだ』とか言って潔く死ぬんだよ。」
すると娘が「煉獄さんじゃん!」と言ったのでビックリ!!!
まさに!熱く燃えて、そして潔く亡くなった煉獄さん。。。武士道精神を持った方でしたね。
宇髄 天元を推している人に贈りたい歌
ごめんなさい。まだ見つかっていません。
「音」が入っている和歌もいくつかあるのですが、宇随さんっぽくない歌なので…。
「ド派手」な歌が見つかるといいのですが。。。
時透無一郎を推している人に贈りたい歌
そらになる心は春の霞にて世にあらじともおもひ立つかな 西行
心は春の
霞にて
世にあらじとも
おもひ立つかな
西行
霞のように
うわの空
俗世を断って
出家をしよう
意訳:(出家を考えて俗世から解き放たれ)うわの空になる私の心は春の霞のようで、この俗世にはもう居続けまいと決心したことだ。
★出家を決意した心境を表しています。
【時透 無一郎】いつも「うわの空」だった無一郎のイメージに合うなと思って選びました。
霞と言えば、「仙人は霞だけと食べて生きる」と言われるように、神秘的なイメージがありますね!
ちなみに霞と霧ってどう違うかわかりますか?
もともと同じ自然現象で、平安時代以降、霞は春、霧は秋と区別して用いられるようになりました。
また、遠くにたなびくものを霞、地面近く立ちこめるものを霧と、区別する考えもあります。