春の鳥といえばウグイス
2月ってまだまだ寒いですけど、
豆まきで厄払いをする節分の翌日からは、
暦の上では春です。
春と言えば、鶯(うぐいす)!
鶯「春告鳥」とも呼ばれています。
今回は鶯にまつわる歌を3首ご紹介します。
ちなみに鶯の鳴き声は「ホーホケキョ」です。
地元では春に筍を掘っている際に、よく聞いていました。
「ホーホケキョ」の「ホ」のせいか、
「ほととぎす」とごっちゃになる方が多いです。
「ほととぎす」の鳴き声は「キョッキョ、キョキョキョ」
(特許許可局と聞こえる方もいるそうですw)
「ほととぎす」は夏ですよー。
受験生はご注意くださいねー。
さて、では和歌のご紹介に参ります。
春きぬと
かすむけしきを
しるべにて
こずゑにつたふ
うぐひすのこゑ
1首目は藤原定家の歌♪
実は茶道教室の掛け軸にこちらの歌が書かれてありまして、
かすむ「春の山」も墨絵で描かれていました☆
漢字にした方が分かりやすそうなので、
まずは漢字に変換。
春来ぬと
霞む景色を
導(しるべ)にて
梢(こずゑ)に伝ふ
鶯の声
意訳:「春が来た」と
霞が立ち込める景色を
道標(みちしるべ)にして、
幹や枝の先を移動する
鶯の声(が聞こえてくるよ)
※「しるべにて」の訳は「たどって」くらいでも良いかもしれません。
※「春来ぬ」の「ぬ」は完了の助動詞「ぬ」の終止形
鶯の
谷より出づる
声なくは
春来ることを
誰か知らまし
2首目は『古今和歌集』 にあります大江千里の歌。
こちらの方が有名でしょうね。
訳:鶯が谷から出てきて鳴く声がないならば、春の来ることをだれが知ろうか(いや、だれも知らない)。
※「なくは」は「無ければ」という条件を表します。
※「誰か」の「か」は文脈上、反語です。
※「知らまし」の「まし」は反実仮想です。
鶯の
声なかりせば
雪消えぬ
山里いかで
春を知らまし
3首目は『拾遺和歌集』 にあります藤原朝忠 の歌。
訳:鶯の声がなければ、雪が消えない山里で、どうやって春の訪れを知ることができるだろうか。(いや、知ることはできない)。
※「なかりせば」は「無ければ」という条件を表します。
※「いかで」は文脈上、反語です。
※「知らまし」の「まし」は反実仮想です。
どうみても本歌取りですね。
そっくり。
でも「雪消えぬ山里」は冬らしい気色なので、さらに素敵ですね!
以上、春を告げる鳥、うぐいすの歌のご紹介でした。