31音訳(七五調訳)等の本をご紹介♪

31音訳(七五調訳)の本を著者別にご紹介します♪
なお、読みやすさを優先して、引用箇所も改行や句ごとにスペースを入れさせていただいております。

◆中村 博 氏

『万葉歌みじかものがたり』(JDC出版)

関西弁で訳してくださっていて、ライトに読めます♪
有間皇子(ありまのみこ)の歌の訳を引用させていただきます。

家でなら
器に供(そな)
祈るのに

旅先やから
椎葉(しい)で供える

元:家にあれば
  笥(け)に盛(も)る飯(いい)
  草枕
  旅にしあれば
  椎(しい)の葉に盛る

万葉集以外にも源氏物語や枕草子などの七五調訳をされていて、なんとブログで全著作を公開なさっています。

◆俵 万智 氏

『〈チョコレート語訳〉みだれ髪』 (河出文庫)

与謝野晶子の詩集『みだれ髪』を31音で訳していらっしゃいます。
しかも、それを「チョコレート語訳」というネーミングがまた素敵です♡

さすが俵万智先生の訳だけあって、訳の方も本当に素敵です!

『みだれ髪』のなかで特に有名な一首の訳を引用させていただきます。

燃える肌を
抱くこともなく
人生を
語り続けて
寂しくないの

元:やは肌の
  あつき血汐(ちしほ)
  ふれも見で
  さびしからずや
  道を説く君

◆松下 緑 氏

『漢詩に遊ぶ 読んで楽しい七五訳』(集英社文庫)

春暁(春眠暁を覚えず~)の訳詩だけご紹介します。

ねむたい朝の ゆめごこち
ちゅんちゅん雀も 鳴いている
昨夜ひとばん 雨風あれた
花もよっぽど 散ったろう

元の漢詩やほ他の歌人の七五調訳はこちらのページに

◆山川 弘至 氏

『日本創生叙事詩 新訳古事記』(蜜書房)

山川弘至先生は終戦間際の昭和二十年八月に、台湾での軍務中に散華されました。
多忙な軍務の合間に紙片に綴り、本国の妻のもとに送り続けられました。

五七/五七/五七/五七という四行が貫かれています。
言霊の美しさを感じる、魂がこもった作品です。

なお、『古事記』と同じ奈良時代に編纂された『万葉集』は七五調ではなく五七調の歌が多いです。
二句切れや四句切れで、短歌だと「五七五七。七」などに切れます。
※七五調は三句切れで、短歌だと「五七五。七七」などに切れます。

八岐大蛇の箇所を引用させていただきます。

酒のみて みな伏しねたる
そのすきに 須佐之男(すさのを)の神
(かき)の内 踊(をど)り出給ひ
討ち給ふ 八岐(やまた)の大蛇(をろち)

◆湯川 英男 氏

『七五調四行詩と絵で語る 古事記神々の詩』(鉱脈社)

絵本になっており、うちの子供たちは何度も読み聞かせをねだっています。
(リズムも良いのでしょうね♪)

「ひむかの国の神話かるた」とイラストが同じです。遊び&読み聞かせで古事記に触れあえています。

子どもに人気の八岐大蛇の箇所を引用させていただきます。

しめたとばかり スサノヲは
  十拳(とつか)の剣(つるぎ)を 抜き放ち
八つの首を 次々と
  斬って斬って 斬りまくる

◆今西 薫 氏

『七五調訳シェイクスピアシリーズ』(風詠社)

戯曲を七五調訳で訳すという珍しい取り組みをしていらっしゃいます。
近松門左衛門風にということだそうです。
(ちなみに近松門左衛門は和製シェークスピアだと称されています☆)

『ハムレット』から一部、ご紹介させていただきます。

マーセラス
 我ら二度見た 恐ろしい 光景を
 ホレイショ言うに「幻覚だ」って
 それで今夜は 我らと共に
 夜を徹して 見張りに立って 亡霊が 現れたなら
 我らのことを 信じてくれて
 亡霊に 話しかけても くれるはず

私の勝手な妄想ですが、若干カタコトな感じがするので、
外国人の俳優さん・女優さんたちが日本語で演じてくれているのを想像して読めて楽しいです。

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