藤原道長の和歌 この世をばわが世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば
藤原道長(ふじわらのみちなが)
中学生向けの歴史の教科書に載っている和歌って何だろう?と思って、パラパラとめくっていましたら、この和歌だとわかりました。
藤原道長は平安時代に摂政・太政大臣になっており、
長女の彰子を一条天皇に(彰子の息子は即位して後一条天皇)、
次女の妍子を三条天皇に、
四女の威子を後一条天皇に、
六女の嬉子を敦良親王(後の後朱雀天皇)に嫁がせて、
権力をほしいままにしています。
※三女と五女は正妻ではない女性との子供です。正妻との間の娘、4人ともが天皇に嫁がせてるってすごすぎです。
NHK大河ドラマ「光る君へ」をきっかけに道長の歌に興味をもった方もいらっしゃるでしょうね。
【参考】登場した和歌を31音口語(現代語)訳&プチ解説 ~大河ドラマ 光る君へを楽しもう♪~
なお、この歌が『百人一首』にも入っていると勘違いしている方もいらっしゃいますが、入っていません。
『百人一首』のオリジナル訳・プチ解説のページはこちら。
現代語(口語)訳
道長の和歌はわかりやすいですが、中学生が理解しやすいように、31音口語訳を作りました。
この世をば
わが世とぞ
思ふ望月(もちづき)の
欠けたることも
なしと思へば
わが世とぞ
思ふ望月(もちづき)の
欠けたることも
なしと思へば
訳:この世界、
私のものだ。
満月に
欠けた部分が
無いのと同じ。
私のものだ。
満月に
欠けた部分が
無いのと同じ。
※正確な訳ではなく、あくまで「口語訳(こうごやく)」です。
直訳は以下の通りです。
この世を自分の世と思い、この夜も私のための夜と思う。今宵(こよい)の満月が欠けたところがないように、私にも何一つ満ちたらぬことがないと思うので。
三省堂『全訳読解 古語辞典』より
31音口語訳に興味を持ってくださった方は、
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