歴史的仮名遣いの読み方
和歌は調べ(しらべ:リズム)を味わうものなので、ぜひ声に出して読んでいただきたいと思っています!
ですが、中学の国語で習う「歴史的仮名遣い」の読み方を忘れてしまっている方も多いのでまとめておきます☆彡
歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すルール
1.「は・ひ・ふ・へ・ほ」(但し、単語の1字目は除く)
→「わ・い・う・え・お」
★「は」を「わ」と発音するのは、「こんにちは。」「私は~。」など、現代語にも残っていますね♪
★「ひ・ふ・へ・ほ」を「い・う・え・お」にするのは母音にすることになるので、
迷う人は音を伸ばすといいですよ。
「ひーーぃ」「ふーーぅ」「へーーぇ」「ほーーぉ」になりますね。
あはれ→あわれ
こひ→こい(恋)
思ふ→思う
さへ→さえ
なほ→なお
※単語の1字目:はし→はし(”は”のまま)、ひとり→ひとり(”ひ”のまま)
【覚え方:語中・語末の「は行」は「あ行」(「は」だけは「わ」)】
2.「ゐ(wi)・ゑ(we)・を(wo)」
→「い(i)・え(e)・お(o)」
★「ゐ」と「ゑ」、どちらが「い」でどちらが「え」が迷う人は、
文字を書く時の長さで考えると良いです。
「い」(短い・シンプル)→「ゐ」
「え」(長い・複雑)→「ゑ」
ひきゐる→ひきいる(率いる)
ゆゑ→ユゆえ(故)
をとこ→おとこ(男)
※歴史的仮名遣いのわ行は「わゐうゑを」
【覚え方:「わ行」は「あ行」】
3.「くわ・ぐわ」
→「か・が」
くわし→かし(菓子)
ぐわんじつ→がんじつ(元日)
ぐわいぶん→がいぶん(外聞)
※ローマ字表示すると、
kuwa→ka(uwが省略)
guwa→ga(uwが省略)
【覚え方:「くわ」は「か」、「ぐわ」は「が」】
4.「む」・「〇む」(助動詞・助詞など)
→「ん」・「〇ん」
む→ん(推量・意志 等)
らむ→らん(現在推量 等)
けむ→けん(過去推量 等)
なむ→なん(係助詞 等)
※助動詞・助詞じゃないけど、「やむごとなき」は「やんごとなき」です。
【覚え方:助動詞・助詞の「む」は「ん」】
5.母音(a i e)+uで長音化(ō yū yō)
やうす:yausu→ようす:yōsu(様子)
まうす:mausu→もうす:mōsu(申す)
いう:iu→ゆう:yū(言う)
きうと:kiuto→きゅうと:kyūto(旧都)
てうし:teusi→ちょうし:tyōsi(調子)
せいそこ:seusoko→しょうそこ:syōsoko(消息)
【覚え方:「あうau」は「おうō」、「いうiu」は「ゆうyū」、「えうeu」は「ようyō」】
(ゴロ:会う 王、言う「YOU!絵う まい よう!」)
(補足)「読み」に影響はありませんが、「ぢ・づ」は現代仮名遣いに変えるときに「じ・ず」になります。
上記の1~5が合わさった語も多いです。
例)1.5.が合わさった語
てふ→てう:teu→ちょう:tyō(蝶)
例)3.5.が合わさった語
くわうごう→かうごう:kaugou→こうごう:kōgou(皇后)