9月1日(防災の日・関東大震災の日)誰見ても親はらからのここちすれ地震をさまりて朝に至れば 与謝野晶子
9月1日「防災の日」に思い出したい歌
1923年(大正12年)9月1日午前11時58分に関東大震災がおきました。
お昼時だったため、火災がひどく、44万戸以上の家屋が焼失し、およそ10万が亡くなっています。
哀悼するとともに、地震に備えておきたいですね。
誰見ても
親はらからの
ここちすれ
地震をさまりて
朝に至れば
与謝野晶子
現代語訳(意訳)
誰を見ても、親や兄弟姉妹のような気がする。地震がおさまって朝を迎えると。
古典文法・古文単語解説
はらから
兄弟姉妹。
(ここち)すれ
サ行変格活用「す」の已然形。三句切れになっている。
(通常は係助詞「こそ」があると係り結びで已然形。)
地震〔なゐ〕
地震。
訳うた
誰もかも
身内のような
気がするよ。
怖い余震の
あとの朝には。
和歌を味わう
与謝野家は燃えなかったようですが、それでも地震の本震や余震で怖い思いをしたと思います。
人は震災で心細いとき、周りの人達と助け合うので、
まるで親や兄弟姉妹のようにお互いに心配し合うのでしょうね。
震災ほどのことではないですが・・・台風の際に、少し似た経験をしたことがあります。
大学時代に女子専用の寮のようなところに住んでいたのですが、
それまでは同学年の子以外とは面識がありませんでした。
けれど、台風で周辺地域がすべて停電になると、
みんな部屋から出てきて語り合いました。
頼もしい先輩に対しては「お姉ちゃんみたい」と感じました。
さて、結句の「朝」はいつの朝でしょうか?
この歌は9月何日のことを詠んだのかわかりませんが、
もし9月2日の朝であれば、この日の昼と夕方にも大きな地震が起きているので、
「やっと朝になって、ホッとしたのに・・・」という気持ちでしょうね。
【1】1923年9月1日11時58分 M8.1(本震:エネルギー比で阪神大震災の16倍)
【2】1923年9月1日12時01分 M7.2
【3】1923年9月1日12時03分 M7.3
【4】1923年9月1日12時48分 M7.1
【5】1923年9月2日11時46分 M7.6
【6】1923年9月2日18時27分 M7.1(テレ朝NEWS 震災クラスが2日で6回 記録から分かった桁違いの揺れ(2)【関東大震災100年】より)
地震への備えは大丈夫ですか?!
家具の転倒防止など、準備しておきたいですね。
今日も一日、あなたがイキイキと生きられることをお祈り申し上げます✨