お茶菓子~9月~
茶道のお稽古のお菓子選定。
9月の「選定理由」を考えました。
せっかくなので、ブログにも残しておきます。
酔芙蓉
芙蓉(ふよう)は美人の喩えとされがちの花ですが、
なんとこの「酔芙蓉(すいふよう)」は朝は白くて、夜に向けてだんだんと紅色になっていくそうです。
まるで色白の美女がお酒で頬が赤くなっていくようだという花の名称に、なんて詩的なのだろうと感動しました!
有名な漢詩人である蘇軾(そしょく)の歌にも、海裳(かいどう)というバラ科の花を女性にたとえているものがあります。
ちなみにその歌では、葉っぱを翠(すい、青緑)の袖にもたとえています☆彡
初雁
源氏物語で光源氏が謹慎のために寂しい須磨にいるときに詠んだ有名な歌があります。
初雁(はつかり)は
恋しき人の
つらなれや
旅の空飛ぶ
声の悲しき
訳:初雁は恋しく思っている(都の)人の仲間なのだろうか。旅の空を飛ぶ鳴き声が悲しく聞こえることよ。
秋の夕暮れに、北(つまり都の方角)から雁が飛んでくるのを見て詠んでいます。
自由に飛ぶ鳥を見て、しばらく会えていない人のことに思いを馳せるのも風流なものだと思いました。
9月のお茶菓子を選ぶ方の参考になるかと存じます。
以上です。
皆さまの参考になりましたら幸いです。