(『源氏物語』で何十回も引用)人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな 藤原兼輔
子どものことを心配している親御さんへ
人の親の
心は闇に
あらねども
子を思ふ道に
まどひぬるかな
藤原兼輔
現代語訳
親の心は(真っ暗な)闇ではないけれども、子どものことを心配し、道に迷ったように途方に暮れてしまうなあ。
古典文法・古文単語解説
(あら)ね
打消しの助動詞「ず」の已然形。
思ふ
❶心配する・思い悩む。
❷愛する・愛しく思う。
などの意味が特に重要な語。ここでは❶。
まどひ
「まどふ」の連用形。
「まどふ(惑ふ)」は
❶(心が)迷う。乱れる。思い悩む。
❷(進路や判断などに)迷う。さ迷う。途方に暮れる。
(まどひ)ぬる
強意の助動詞「ぬ」の連体形。「~てしまう」。
かな
詠嘆の助動詞。「~なあ・~ことよ」。
31音(おん)口語訳
親心
闇の中には
いないけど
子を心配し
途方に暮れる
和歌を味わう
『後撰和歌集』にある藤原兼輔の歌。
兼輔は『源氏物語』を書いた紫式部の曽祖父(=ひいおじいちゃん)が詠んだ歌です。
『源氏物語』ではこの歌の一部が何十回も引用されています。
大河ドラマ「光る君へ」の中でもまひろがつぶやいていました♪
ちなみに兼輔といえば百人一首に「みかの原わきて流るゝ泉川 いつ見きとてか恋しかるらむ」があります。
(百人一首についてはこちら)
千年前でも、親というのは我が子のことを思い悩んでいるのですね。
「我が子に幸せになって欲しい」という愛情からでしょうね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
今日も一日、あなたがイキイキと生きられることをお祈り申し上げます✨