8月6日広島平和記念日 爆撃にたふれゆく民の上をおもひいくさとめけり身はいかならむとも 昭和天皇
8月6日広島平和記念日に思い出したい歌
爆撃に
たふれゆく民の
上をおもひ
いくさとめけり
身はいかならむとも
昭和天皇
現代語訳(意訳)
爆撃で倒れてゆく国民の身の上を思い悩み、戦争を終結した。自分の命はどのようになるとしても。
古典文法・古文単語解説
たふれ〔倒れ〕ゆく
倒れていく。滅んでいく。死んでゆく。
※歴史的仮名遣いの読み方の原則では「たうれゆく」ですが、【たふる(倒る)】は例外で「たおる」という読みのため、「たおれゆく」と読みます。
おも〔思〕ひ
「思ふ」の連用形。
古語の「思ふ」は「❶心配する・思い悩む ❷愛しく思う」の意味が特に重要。
(とめ)けり
過去の助動詞。~た。
いかなら(む)
形容動詞「いかなり〔如何なり〕」の未然形。
どのように。
(いかなら)む
仮定の助動詞。
訳うた
爆撃で
倒れる民を
気にかけて
終戦させた。
我が身を懸けてでも。
和歌を味わう
終戦のご決意をお詠みになった歌です。
結句が九音で、二音もの字余りになっていることで、溢れる思いが伝わります。
敗戦国の君主の命は保証されていませんので、
命懸けでのご英断だったかと存じます。
この和歌の現代語訳は見かけたことがありません。
なんとなくの意味は伝わるので、「訳さなくてもわかるでしょ」と思って、そのまま引用される方が多いようです。
ただ、現代の特に若い世代の人は和歌の意味がわからない方が多いので、思い切って訳させていただきました。
より良い文法的な解釈や訳し方がある方は、教えていただけますと幸いでございます。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
今日も一日、あなたがイキイキと生きられることをお祈り申し上げます✨