憂きことのなほこの上に積もれかし限りある身の力試さむ 山中鹿之助

成長意欲が高い人へ贈りたい歌

きことの
この上に
積もれかし
限りある身の
力試さ
 山中鹿之助やまなかしかのすけ

現代語訳

つらいことが、もっと私の身の上に振り積もれよ。(命の)限りがあるこの身の力を、(どこまで高められるのか)試そう。

古典文法・古文単語解説

憂き
「憂し」の連用形。
「憂し」は「つらい・苦しい」。

なほ
多義語で〈❶やはり ❷それでもやはり ❸依然として ❹さらに・ますます・いっそう〉。などの意味がある。
ここでは「❹さらに・ますます・いっそう」。

かし
念押しの終助詞。~ね。~よ。 

(試さ)む
推量などの意味の助動詞。ここでは意志。~しよう。 

訳うた

困難が
もっと私に
振り積もれ。
己の力
試してみたい。

和歌を味わう

世界的ベストセラーとなった新渡戸稲造『武士道』のなかで、真の武士の典型として紹介されている和歌です。

山中鹿之助は山陰地方の戦国武将。
「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と三日月に祈ったという逸話も残っています。
 
結句にある「力」は何の力だと思いますか?
 
私は剣術の強さというよりも、
胆力とか忍耐力とかの、精神的な力だと感じました。
 
「武士は食わねど高楊枝」という感じで、
ちょっと瘦せ我慢をしているような気もします。
弱音を見せないところが、まさに武士ですね。
 
そして人の精神力は、
(ちょっと瘦せ我慢をしてでも)弱音を吐かずに挑戦する人こそが高まっていくと思います。
 
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

今日も一日、あなたがイキイキと生きられることをお祈り申し上げます✨

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