(結婚のお祝いに)天の戸の真澄にならぶ二つ星百千の世まで添いてゆくらむ 小田観螢
結婚のお祝いの折に、贈りたい和歌♪
天の戸の
真澄にならぶ
二つ星
百千の世まで
添いてゆくらむ
小田観螢
現代語訳
天の川の渡し場の、曇りなく澄み切った所に並んで輝く二つの星〔=織姫星と彦星〕(のように、あなた方は)末永くいついつまでも連れ添ってゆくのでしょう。
古典文法・古文単語解説
天の戸(あまのと) ※❷❸は通常は「天の門」と書いて「あまのと」。
❶(『古事記』に登場する)天の岩戸。
❷大空。天上にある太陽や月の渡る道。
❸天の川(あまのがわ)の渡し場。
※ここでは「二つ星」が織姫星と彦星を暗喩しているので❸か。
※❷で解釈しても自然な訳になる。
まし百千(ももち)
数の多いこと。
31音(おん)口語訳
天の川
橋のたもとに
並ぶ星
百年先も
連れ添うだろう
和歌を味わう
作者の小田観螢は明治~昭和の歌人。
北海道歌壇の功労者だそうです。
弟子の中城ふみ子(『乳房喪失』が有名)の歌壇への進出にも尽力しました。
七夕の織姫と彦星は、年に一度しか会えないと言われています。
しかしこの歌では、「ならぶ」「添いてゆく」とあるので安心ですね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
今日も一日、あなたがイキイキと生きられることをお祈り申し上げます✨