令和7年(2025年)宮中歌会始 素敵な歌三選~詠進歌編~
令和7年(2025年)宮中歌会始、お題は「夢」です。
※「夢」に関する過去の御製のご紹介ページもこちらにあります。
御製(ぎょせい/天皇陛下の御歌)のページはこちら。
素敵な歌五選~皇族・召人の歌編~はこちら。
詠進歌、つまり一般的な国民の和歌から、特に素晴らしいと選ばれた歌は全部で10首です。
1万5千首以上の中から選ばれた10首。
その中から、さらに私の好みで選ばせていただいた歌をご紹介します。
「10首全部見たい。佳作も見たい。」という方は、宮内庁HPのこちらをどうぞ。
1.大丈夫あなたが夢を追ふあひだ私はずつと追ひ風である
大丈夫
あなたが夢を
追ふあひだ
私はずつと
追ひ風である
岡山県 西江涼帆さんの歌。
「夢」というお題で、多くの人は自分の夢について考えたと思います。
自分ではなく、そばにいる誰かの夢を応援する立場での歌を詠まれていて、本当に素敵だなと感じました!
初句の「大丈夫」というのが心からの励ましですね!
作者が応援している方の夢は何でしょうか?
困難なことに挑戦していそうですね。
私も自信が夢を追いつつ、誰かの夢に追い風となって差し上げたいと感じさせてくれる歌です。
2.「実際に叶ふ程度にしておけ」とそんな夢など見たくないのだ
「実際に
叶ふ程度に
しておけ」と
そんな夢など
見たくないのだ
東京都 村木陸さんの歌。
東京理科大学の4年生(22歳)だそうで、大学のHPにコメントが載っていたので、引用させていただきます。
<村木さんのコメント>
家族や友人に自分の夢を話したとき、「大きな夢を持つのは素晴らしいが、もっと現実的な夢でもいいのではないか」というアドバイスをもらったことがあります。そのとき、私は「夢とは実現可能性に関係ないものではないか」と考えました。
親身になってアドバイスをしてくれる人たちに感謝しながらも、『自分の気持ちに正直でありたい』という思いと、『夢を追いかける全ての人を応援したい』という思いを込めてこの歌を詠みました。
ストレートな思いが伝わる歌ですね。
若者がこんな想いを抱いているのは日本の未来にとっても素晴らしいことですね。
3.カーテンをあなたがあけて文鳥とわたしが同時に夢からさめる
カーテンを
あなたがあけて
文鳥と
わたしが同時に
夢からさめる
埼玉県 川寄ななせさん(31歳)の歌。
素敵な情景です。
・窓から差し込む木漏れ日
・可愛く鳴きはじめた文鳥
・ねぼけなまこであくびをする作者
・その様子を優しく見つめる作者のパートナー
そんな様子を勝手に妄想してしまいますw
小説のワンシーンみたいですね。
まとめ
今回は歌会始で3つの記事を書いています。よろしければ、他もご覧ください。
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