梅雨の季節(6月)に思い出したい・贈りたい和歌・短歌 三首

梅雨入りしました。
皆さんはお気に入りの傘や長靴はお持ちですか?!
子どもに新しい傘を買ってあげたところ、「早く雨が降らないかなあ」と待ち望んでいました。
お気に入りの雨グッズがあると、梅雨も楽しめそうですね☆彡

和歌・短歌も、その雨グッズの一つとしていただきたいです♪
お気に入りの歌を思い出すと、心が晴れやかになるかなと思います💕

時により過ぐれば民の嘆きなり八大龍王雨やめたまへ 源実朝

大雨が止んで欲しい人へ贈りたい歌

時により
過ぐれば民の
嘆きなり
八大龍王
雨やめたまへ
  源実朝

訳:多過ぎて
  恵みの雨に
  民嘆く
  八大龍王
  止ませてください

意訳:(恵みの雨も)時によって度が過ぎれば、民が悲嘆する原因となる。(雨をつかさどる)八大龍王よ、雨を止ませてくだされ。

★源実朝の和歌については他にも何首か解説があるのでご覧ください。
 「いとほしや 見るに涙も とどまらず 親もなき子の 母をたづぬる
 ものいはぬ よものけだもの すらだにも あはれなるかなや おやのこを思ふ
 「東の 國に我がをれば 朝日さす 藐姑射の山の 影となりにき

不就学なげかず左足に辞書めくり漢字暗記す雨の一日を 木村ひろ子 

雨の日に勉強する人へ

不就学ふしゅうがく
なげかず左足に
辞書めくり
漢字暗記す
雨の一日ひとひ
 木村ひろ子 

訳:学校に
  行けねど嘆かず
  左足で
  辞書をめくって
  覚える雨の日

意訳:小学校に通えないことを嘆かずに、(手足のうち唯一動く)左足で辞書をめくり、漢字を暗記する。雨の一日を(有意義に使って)。

★脳性マヒで生後間もなく、手足のうち左足が少し動くのみとなった方の歌です。

左足で米をといでご飯を炊き、墨をすって絵を描き、その絵を売って生計を立てた。自分のためにだけ生きるなら芋虫も同じと、絵の収入から毎月身体の不自由な人のために寄付をした。
『小さな人生論④』藤尾秀昭(致知出版社)

 小学生にも中学校に行けなかったのですが、このように大変素晴らしい精神を持った方です。

花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに 小野小町

雨で色あせた花を見ている人へ

花の色は
移りにけりな
いたづらに
わが身世にふる
ながめせしまに
 小野小町

訳:雨を見て
  ぼーっとしてたら
  あっけなく
  花も私も
  色あせちゃった

意訳:(私を含めて)花の色は(盛りが過ぎて)あせてしまったなあ。私がむなしく日々を過ごし、長雨が降り続き、もの思いにふけっているうちに。

★百人一首4番目の歌。「ふる」は「経る」と「降る」、「ながめ」は「眺め」と「長雨」の掛詞。

禅語

梅雨の時期に、雨に対して「恵みの雨だなあ」と前向きにとらえることができる禅語があります。
よろしければ、こちらもご覧ください。

茶掛の禅語【6月】一雨普潤周沙界

 

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