滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ(大納言公任)
百人一首55番
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ
決まり字:たき
滝の音は
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞こえけれ
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞こえけれ
訳うた:滝が絶え、
音は長らく
聞けないが、
名声だけは
今も聞こえる。
音は長らく
聞けないが、
名声だけは
今も聞こえる。
現代語訳
(水が枯れて)滝の音は
すっかり聞こえなくなって長い年月が
たってしまったけれども、
その名声は(世の中に)流れ伝わり、、
今でも聞こえてくるなあ。

古典文法・古文単語解説
- 滝の音
滝の流れ落ちる水音。 - 絶えて久しくなりぬれど
「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形、「ど」は逆接の接続助詞です。音が絶えてから長くたったけれど、という意味です。 - 名こそ
「名」は評判・名声。「こそ」は強意の係助詞。 - なほ聞こえけれ
「なほ」はやはり、今も。「こそ」の係り結びで「けれ」は「けり」の已然形。
作者・大納言公任について
大納言公任は藤原公任のことです。
平安時代中期の公卿・歌人で、和歌・漢詩・管弦に秀でた才人として知られました。
この歌は『千載和歌集』雑の部に収録されています。
滝の水音が絶えた後も名声は語り継がれている、という対比を詠みます。
和歌を味わう
和歌のソムリエ
声に出して詠んで~。
「な」と「た」を繰り返す調べが素敵な歌なので、ぜひ声に出してみて下さい。
かつて響いていた滝の音は、今では聞こえなくなっています。
それでも滝の名声は消えず、人々の間を流れ伝わり、今なお聞こえてきます。
「流れて」は、滝の水が流れることと、名が世に伝わることを重ねる言葉です。
水音が絶えた景色と、評判が続く時間が一首の中で対照をなします。
語呂とイラストで覚える
※語呂とイラストは歌の意味とは無関係です。
関連リンク
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